ふるさとおこしプロジェクト

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MAGAZINE 人・もの・こと

酒粕マドレーヌ まる粕

開発秘話インタビュー

【人・もの・こと】酒粕マドレーヌ まる粕|竹久夢二本舗敷島堂株式会社・宮下酒造株式会社・JR西日本グループ

岡山の酒蔵と菓匠が届ける、酒粕の新しい楽しみ方
「酒粕マドレーヌ まる粕」

岡山は、酒米「雄町」のふるさとであり、個性豊かな酒蔵が酒造りの文化を受け継ぐ土地。良質な米と水、長年培われてきた技術によって、さまざまな日本酒がつくられています。

その日本酒を搾る過程で生まれるのが「酒粕」です。日本酒や米のうまみが凝縮された酒粕には、酒蔵ごとに異なる香りや味わいがあります。かつては粕汁や粕漬けなど、家庭の食卓でも親しまれてきた酒粕。現在も食品として利用されるほか、肥料などにも活用されています。一方で、食生活の変化とともに、日常で酒粕を味わう機会は少なくなってきました。
日本酒と同じように、それぞれの酒蔵の個性が感じられる酒粕。そのおいしさを改めて見つめ直し、もっと身近に楽しんでもらいたい。そして、酒粕の新たな活用を通じて、岡山の酒文化の魅力を次の世代へ伝えていきたい。そんな思いから生まれたのが、JR PREMIUM SELECT SETOUCHIの新しいお土産商品「酒粕マドレーヌ まる粕」です。

ふんわり、しっとりとした生地に、なめらかな酒粕ゼリー。ひと口頬張ると、酒粕ならではの芳醇な香りとやさしい甘みが広がります。

開発に携わったのは、竹久夢二本舗敷島堂株式会社、宮下酒造株式会社、株式会社ジェイアールサービスネット岡山、西日本旅客鉄道株式会社 岡山支社の4社。岡山の酒文化を伝え、酒粕の新たな可能性を探るという思いのもと、酒造りと菓子づくり、それぞれの技術や知恵を持ち寄りました。

なぜ酒粕に着目したのか。そして、そのおいしさをどのように焼き菓子へと生かしたのか。ゼリーという発想や、香りと食感を追求した数々の工夫。企画・開発に携わった4名に、完成までの道のりと商品に込めた思いを聞きました。
(「酒粕マドレーヌ まる粕」は、2026年10月30日より販売を開始します)

酒粕マドレーヌ まる粕(3個入)

profile

  • 竹久夢二本舗敷島堂株式会社 常務取締役

    井上和彦(いのうえ かずひこ)

    1974年岡山県赤磐市出身。1999年竹久夢二本舗敷島堂株式会社に営業担当として入社後、営業・店舗・企画部門の責任者を経て、2015年に役員に就任。2018年より常務取締役を務める。ソリューション営業を通じてお客様のニーズに応える商品開発や新規出店に携わっている。

  • 宮下酒造株式会社 マーケティング部 マーケティング課 課長

    狩山太郎(かりやま たろう)

    1988年岡山県岡山市出身。2020年宮下酒造株式会社に入社後、営業部にて国内外の営業業務に従事。2024年よりマーケティング部にて販促企画の立案・運営を担当するほか、JR岡山駅さんすて2F「宮下酒造 角打ち」の立ち上げにも携わる

  • 株式会社ジェイアールサービスネット岡山 営業・開発部 PB商品課 課長代理

    谷本有希(たにもと ゆうき)

    1990年福岡県北九州市出身。2014年株式会社ジェイアールサービスネット岡山に入社後、土産店・CVS店舗での現場経験を経て、本社で土産事業や経営企画などの業務に従事。関西への出向期間中はCVS事業に携わる。2025年6月より営業・開発部PB商品課にて、PB商品の開発・販路拡大を通じた地域の魅力発信に取り組む。

  • 西日本旅客鉄道株式会社 岡山支社 ふるさとおこし本部

    久保田航海(くぼた わたる)

    1992年徳島県小松島市出身。2013年西日本旅客鉄道株式会社に入社後、福山保線区(現倉敷保線区)笠岡にて保線業務に従事。2023年から岡山保線区にて工事関係の業務に携わる。2026年6月より岡山支社ふるさとおこし本部にて、商品開発をはじめとする地域活性化の取り組みに携わる。

岡山の酒文化を、もっと身近に

岡山の日本酒の魅力を、より多くの人に届けたい。その思いから始まった商品開発について、まずは「まる粕」の特徴と、酒粕に着目したきっかけを伺いました。

「酒粕マドレーヌ まる粕」は、どのようなお菓子なのでしょうか

久保田航海さん(以下 久保田) 岡山の酒粕の味わいを楽しんでいただけるマドレーヌです。丸いマドレーヌに、四角い酒粕ゼリーを組み合わせていて、見た目にもインパクトがあります。岡山市の宮下酒造さん、瀬戸内市邑久町の敷島堂さんと、JR西日本グループが協働して開発しました。

谷本有希さん(以下 谷本) しっとりとした生地に、酒粕ゼリーのなめらかな舌触りと弾力のある食感が加わっています。ひと口頬張ると、酒粕ならではの香りがふわっと広がるんです。

久保田 お酒が好きな方はもちろん、これまで酒粕に触れる機会が少なかった方にも、ぜひ食べていただきたい商品です。

西日本旅客鉄道株式会社 岡山支社 ふるさとおこし本部 久保田航海さん

岡山の日本酒に着目した理由と、その中でも酒粕を使ったお菓子を開発しようと考えた経緯を教えてください

谷本 岡山県は、実は酒どころなんです。岡山発祥の酒米「雄町」をはじめ、酒造りに適した米や水に恵まれ、県内には個性豊かな酒蔵が数多くあります。
一方で、若い世代を中心にお酒離れが進んでいます。もっと多くの方に岡山のお酒の魅力を届けたいという思いがあり、どうすればそのおいしさを知ってもらえるだろうと考えていました。

久保田 そこで着目したのが酒粕です。酒粕は、日本酒を搾る際に生まれるものですが、実は日本酒と同じように、酒蔵によって香りや味わいが異なるんです。
昔は粕汁や粕漬けなど、家庭の食卓でも親しまれてきた食材ですが、食生活の変化とともに、酒粕を口にする機会が少なくなっていると聞きました。

谷本 酒粕が使われてきた漬物づくりを取り巻く環境も変わってきています。2021年には食品衛生法に基づく営業許可制度が見直され、漬物の製造にも新たな営業許可が必要となりました。2024年には、従来から営業していた事業者への経過措置も終了しています。
そうした変化の中で、酒粕の新しい楽しみ方を提案できないだろうかと考えました。酒粕には、日本酒や米のうまみが凝縮されています。そのおいしさを、これまで酒粕になじみのなかった方にも届けたいと思ったんです。

久保田 酒粕を使ったお菓子なら、今までとは違う形で、その魅力を届けられます。新たな楽しみ方を提案することが、岡山のお酒の魅力を知っていただくきっかけとなり、酒粕の有効活用や食品ロスの削減にもつながればと考えました。

株式会社ジェイアールサービスネット岡山 営業・開発部 PB商品課 谷本有希さん

おかやまの菓匠と蔵元が
協働して生まれた新しいおみやげ。

酒粕の新たな楽しみ方を形にするには、酒造りと菓子づくり、双方の知識と技術が欠かせません。そこで協力を依頼したのが、岡山に根ざした二つの企業。日本酒や酒粕の特徴を知り尽くした宮下酒造と、素材の持ち味を引き出し、菓子としてのおいしさを追求する敷島堂でした。

宮下酒造は、1915年(大正4年)に玉野市で創業した酒蔵です。1965年(昭和40年)、旭川の良質な水を求めて岡山市中区西川原へ移転。現在は日本酒をはじめ、焼酎、ビール、ウイスキー、リキュールなど幅広い酒類を製造しています。
代表的な日本酒の銘柄は「極聖(きわみひじり)」。その名は、万葉の歌人・大伴旅人が詠んだ和歌に由来します。かつては「聖」と、その最上級を表す「極聖」という名称を用いていましたが、現在は「極聖」に統一しています。
酒造りには、旭川の伏流水を地下約100メートルから汲み上げた軟水を使用。歴史ある備中杜氏の技術を受け継いでいることも特徴です。

(画像提供:宮下酒造)

JR山陽本線 西川原・就実駅から徒歩3分の場所にある、宮下酒造のお酒と料理が楽しめる「酒工房 独歩館」。(画像提供:宮下酒造)

竹久夢二本舗敷島堂は、1948年(昭和23年)に邑久町で創業した菓子メーカーです。竹久夢二の長男の快諾を得て生まれた、夢二ゆかりの「夢二」をはじめ、「夢二の宵待草」「夢どら」や岡山名物の「元祖マスカットきびだんご」などを手がけています。
自社製餡や岡山県産食材をはじめとする厳選素材にこだわり、現在は和菓子から洋菓子まで幅広く製造。地域密着型の菓子専門店として、おやつからギフト菓子まで取り揃えています。2025年秋には新工場を建設しました。

井上和彦さん(以下 井上) ちょうど新工場ができたタイミングで、酒粕を使ったお菓子のお話をいただいたんです。私たちもお力になれるのではないかと思いました。

1948年創業、岡山県瀬戸内市に本店を構える老舗菓子店。素材と製法にこだわり、和菓子から洋菓子まで幅広く手がけ、地域に親しまれています。(画像提供:敷島堂)

竹久夢二本舗敷島堂株式会社 井上和彦さん

日本酒のうまみが凝縮された、
酒粕という素材。

日本酒を搾ったあとに残る酒粕は、古くから日本の食卓で親しまれてきた食材です。酒蔵によって香りも味わいも異なるという酒粕。その奥深さを、宮下酒造の狩山さんに伺いました。

酒粕は、日本酒づくりのどのような工程で生まれるのでしょうか

狩山 日本酒は、米、米麹、水を原料にしてつくられます。これらを発酵させると、液体と固体が混ざり合った「醪(もろみ)」ができます。その醪を搾る「圧搾(あっさく)」という工程で、液体と固体に分けるんです。液体が日本酒で、残った固体が酒粕になります。

宮下酒造株式会社 マーケティング部 マーケティング課 狩山太郎さん

「酒粕マドレーヌ まる粕」には、さまざまな銘柄の「極聖」から生まれた酒粕を使用しています。
写真は、雄町米を100%使用し、芳醇でフルーティな香りの「極聖 雄町純米」。

かつて酒粕は、家庭の食卓でも身近な存在でした。板粕は粕汁やお菓子の材料として使われ、そのまま焼いて砂糖をまぶして食べることも。留粕は粕漬けなどの漬物のほか、醤油や酢の製造にも利用されてきました。

狩山 以前はいろいろな形で親しまれていましたが、そうした食文化が少しずつ減り、酒粕そのものの需要も少なくなっているのが現状です。

今回、酒粕をマドレーヌに使うと聞いて、どのように感じましたか

狩山 酒蔵としては、酒粕を食品として活用していただけるのは、とてもうれしいことです。昔はお菓子の材料にもよく使われていましたし、今回のお話は本当にありがたかったですね。製造を担当されるのが老舗の敷島堂さんと聞いて、どんな商品が生まれるのか楽しみでした。マドレーヌになることで酒粕に新しい付加価値が生まれ、需要の拡大にもつながるのではないかと期待しています。

酒粕そのものには、どのような魅力があるのでしょうか

狩山 やはり、日本酒や、その原料である米のうまみが凝縮されていることですね。日本酒の華やかな香りも楽しめます。実は、酒粕は酒蔵によって特徴や味わいが違うんです。詳しい方の中には、酒蔵ごとの酒粕を食べ比べる方もいらっしゃるほどです。「まる粕」をきっかけに酒粕に興味を持っていただけたら、ぜひ、いろいろな酒蔵の酒粕を食べ比べてみてほしいですね。

チーズケーキから始まった
酒粕のお菓子づくり。

酒粕のおいしさを、どんなお菓子なら最も引き出せるのか。実は、最初からマドレーヌをつくる予定だったわけではありません。試作はチーズケーキから始まり、酒粕の存在感を追い求める中で、現在の形へとたどり着きました。

最初からマドレーヌを考えていたのでしょうか

井上 実は、最初は酒粕入りのチーズケーキをつくる予定だったんです。チーズケーキなら多くの方に好まれますし、手に取っていただきやすいと思いました。チーズもお酒も発酵食品なので、相性もよいだろうと考えていたんです。
ところが、何度か試作するうちに、どうしてもチーズの香りが酒粕より強くなってしまって。酒粕を楽しむお菓子をつくることがコンセプトでしたから、「酒粕の風味をいかに引き出すか」に絞って試作を重ねていきました。

久保田 本当に、数え切れないほど試作していただきました。

井上 マドレーヌのほかに、マフィンやパウンドケーキも試しました。その中で、最も酒粕を生かせると感じたのがマドレーヌだったんです。

酒粕以外の素材にも、岡山らしさを取り入れたそうですね。

井上 マドレーヌの生地には、岡山県産小麦からつくった小麦粉を使用しています。岡山の企業が、岡山の酒粕を使ってお菓子をつくるのですから、酒粕と並ぶ主な材料である小麦粉にもこだわりたいと思いました。

谷本 使っているのは、岡山県産小麦の「ぼっけぇー粉」です。酒粕だけでなく、県産小麦粉の消費も増え、地域の盛り上がりにつながればと考えています。

酒粕の香りと食感を生かす、
ゼリーという発想。

焼き菓子に酒粕を加えても、焼成の熱によって香りが弱くなってしまう。そこで生まれたのが、酒粕をゼリーにして組み合わせるというアイデアでした。酒粕の香りやゼリーの弾力、配置の仕方など、理想のおいしさを求めて工夫を重ねていきました。

酒粕をゼリーにするという発想は、どのように生まれたのでしょうか

井上 最初は、酒粕を生地に混ぜ込む方法を考えました。でも、なかなか風味が生きてこなかったんです。ほかの材料の香りに負けてしまったり、焼くときの熱で香りが弱くなってしまったり。思っていた以上に課題がありました。

谷本 ヒントになったのは、最近の食感を楽しむ食文化です。やわらかいものの中に歯応えのあるものが入っていたり、グミが人気だったりと、食感そのものを楽しむ傾向がありますよね。そこから、酒粕風味のゼリーを入れてみようという話になりました。ゼリーのアイデアを出してくださったのは、敷島堂さんです。

井上 敷島堂では、いわゆる「水物」と呼ばれるお菓子も多くつくっていますから、ゼリーは得意分野なんです。開発メンバーも、ほぼ全員一致で賛成でした。

酒粕の香りや食感を生かすために、どのような工夫をされたのでしょうか

井上 酒粕の風味をしっかり感じられるゼリーを目指して、さまざまな方法を試しました。焼成の熱で香りが弱くなってしまうため、工夫を重ねるなかでたどり着いたのが、酒粕を水ではなく日本酒で溶く方法です。宮下酒造さんの「極聖」本醸造酒を使うことで、酒粕の風味を引き出すことができました。

もう一つこだわったのが、ゼリーの食感です。マドレーヌと一緒に焼いてもほどよい弾力を保てるよう、増粘剤メーカーの開発・研究担当者にも相談しました。材料を入れる順番や分量のわずかな違いで、仕上がりが大きく変わるんです。アドバイスをいただきながら調整を重ね、ようやく豊かな香りと弾力を兼ね備えたゼリーが完成しました。

ゼリーが完成すると、次に取り組んだのが、マドレーヌとの組み合わせ方です。マドレーヌのどこに、どのような形で入れるか。おいしさと食べやすさの両立を目指して、試作が続きます。

現在のような、大きな四角いゼリーをのせる形には、どうやってたどり着いたのでしょうか

井上 ゼリーをさいの目状に切って生地に混ぜ込んだり、マドレーヌの下側に敷き詰めたり、いろいろ試しました。でも、ゼリーの重さで下の方に集まってしまって、食べにくかったり、バランスが悪くなったり。
それなら、思い切って大きな四角いゼリーを真ん中にドンと置いてみたらどうだろう、と。試してみると、食感がしっかり感じられて、酒粕の風味もぐっと強くなったんです。

久保田 見た目にもインパクトがありましたよね。

酒粕の風味を生かすことから始まった試作は、ゼリーの香りや弾力、そして形状に至るまで、細かな工夫を積み重ねることになりました。こうして、丸いマドレーヌと四角い酒粕ゼリーを組み合わせた、特徴的な姿が完成したのです。

ゼリーのみずみずしさ、バターの香りと芳醇な酒粕の香りがふんわり広がる「酒粕マドレーヌ まる粕」。
「酒粕や日本酒好きな方はもちろん、これまで酒粕がちょっと苦手だったという方にも、この商品をきっかけに好きになったと言っていただけるような、おいしさに仕上がりました」と井上さん。

焼き菓子の形から生まれた、
「まる粕」のデザイン。

丸いマドレーヌの中央に、四角い酒粕ゼリー。その特徴的な姿は、商品名やパッケージデザインにもつながっています。酒粕を使ったお菓子であることを、ひと目で伝えるための工夫を伺いました。

パッケージにも印象的なマークが使われていますね

久保田 商品の背景にあるストーリーを伝えたいと思い、パッケージのデザインにもこだわりました。中央に大きく入っているマークは、「家紋」をイメージしたものなんです。お酒も家紋も、日本の文化を伝えるものです。「まる粕」という名前も、この時期に決まりました。
パッケージの中央にデザインされた、丸の中に菱形が入った形は、外側の丸がマドレーヌの生地で、内側の菱形が酒粕ゼリーを表したもので、マドレーヌを真上から見た姿をそのままデザインに落とし込んでいるんです。

狩山 赤と白の日本らしい色合いや、菱形の中に大きく「粕」の文字が入っているのも、インパクトがありますよね。酒粕を使っていることが分かりやすいですし、最初に見たとき、つい気になって手に取りたくなるデザインだと思いました。

販売する際には、どのように商品の魅力を伝えていきたいですか

久保田 岡山の酒蔵がつくった酒粕を楽しめるお菓子だということが、商品の大きな魅力であり、伝えたいストーリーでもあります。売場でも、そこをしっかり伝えていきたいですね。

谷本 売場では、今回つかった「極聖」のボトルや酒枡などと一緒にディスプレイして、岡山の酒蔵・宮下酒造の酒粕を使っていることがひと目で伝わるようにしたいですね。

マドレーヌを真上から見た意匠を、そのまま家紋のようなデザインに仕立てたパッケージ。
酒粕を思わせるやさしいクリーム色に、朱赤の図柄が映え、上品で印象深い佇まいの商品に。

JR PREMIUM SELECT SETOUCHIのシリーズは、パッケージの裏側に商品の味だけではなく、商品のストーリーを掲載しています。「おいしくいただくだけではなく、地域のことや、その土地から生まれる素材について、知ってもらうことで興味関心を持ってもらえたら」と久保田さん。

紅茶にも、日本酒にもあう、
香りを楽しむ焼き菓子。

酒粕の香りとやさしい甘みを持つ「まる粕」は、飲み物との組み合わせも楽しみの一つ。

「まる粕」と一緒に楽しむなら、どのような飲み物がおすすめですか

狩山 お茶や紅茶、コーヒーはもちろん合いますが、酒蔵としてぜひ試していただきたいのが日本酒です。実は、日本酒はスイーツとも相性がいいんですよ。酒粕も日本酒と同じく米から生まれたものですから、よく合うんです。日本酒の中でも、吟醸酒のような香りが華やかなものより、米のうまみが豊かな純米酒と一緒に味わうのがおすすめですね。「まる粕」と一緒に、ぜひ日本酒も手に取っていただけたらうれしいです。

井上 和の要素と洋の要素が両方楽しめる商品なので、香りのよい紅茶やコーヒーなど、いろいろな飲み物と組み合わせていただけると思います。

地域と向き合い、素材と向き合う、
岡山のおみやげづくり。

一つの素材をきっかけに、酒蔵、菓子メーカー、JR西日本グループが知恵を持ち寄った今回の商品開発。完成したマドレーヌには、酒粕のおいしさだけでなく、岡山の素材が持つ可能性や、贈る人・受け取る人への思いも込められています。

今回の商品開発を通じて感じたことや、これから「まる粕」を手に取る方へ伝えたいことを聞かせてください

谷本 今回、宮下酒造さん、敷島堂さんと一緒に商品開発をして、改めて、素材にはいろいろな生かし方があるのだと感じました。岡山にはフルーツや海産物など、魅力的な素材が本当にたくさんあります。「まる粕」のように、岡山の素材を厳選して商品にし、多くの方に届けることで、新しい魅力を発見していただけたらと思います。

井上 私たちも、つくっている段階からワクワク、ドキドキする楽しさがありました。手に取った方のご家族や、仲間のみなさんが笑顔で過ごす時間のきっかけになるような、そんなお菓子になればと思います。

狩山 日本酒をあまり飲まない方にも、おいしく楽しんでいただける商品だと思います。大切な方への贈り物にも、自分へのご褒美にも選んでいただきたいですね。これをきっかけに、今度は日本酒も飲んでみようかな、と興味を持っていただけたらうれしいです。

久保田 この商品は、背景にあるストーリーも魅力だと思っています。パッケージの裏面にも、その物語を紹介していますので、この記事とあわせて読んでいただけたら、よりおいしく楽しんでいただけるのではないでしょうか。「まる粕」を味わって、「また岡山へ行きたい」「宮下酒造さんの酒蔵や、敷島堂さんの店舗を訪ねてみたい」と思っていただけたら、最高ですね。

酒粕という昔ながらの素材から生まれた、新しい岡山のお土産。丸いマドレーヌに込められた4社の思いが、岡山の酒文化に触れるきっかけになっていきそうです。

(2026年10月取材)

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